春の味を楽しもう
みなさま、新年度をいかがお過ごしでしょうか。
今年の首都圏の桜はものすごい勢いで開花し、散っていきましたね。
桜は散るから美しい、というのはもっともですが、もうちょっとゆっくりしていってほしかったなあ、なんて
勝手なことを思っています。
さてさて、花は散っても春は楽しめる、この時期ならではの日本酒をご紹介しましょう。
「七賢 純米春しぼり おりがらみ」です。
ピンクのラベルが、かわいいですね~。
女子心をくすぐります。
「七賢(しちけん)」は以前にもご紹介させていただいた山梨県の酒蔵のブランド。
プレミアムな大吟醸が高い評価を受けています。
昨年は、日本一美味しい市販酒が決まるきき酒イベント「SAKE COMPETITION」のSuper Premium部門(720mlで小売価格が10,000円(外税)以上、1800mlで15,000円(外税)以上の清酒)で第一位を受賞してらっしゃいました。
日本一って、すごいですねえ。
低精米でもおいしい酒
と、ここでいったん脱線しますが、一般的に高価格の日本酒は、高精米であることが多く、その方が雑味が少なくおいしいといわれがちです。
例えば50%以上お米を削って作られるお酒が大吟醸と呼ばれますが、なかには90%以上お米を削るものも存在し、その分材料費がかかったり、人的リソースを割かねばならなかったり、作り手の気合が必要だったりして、高いお値段がつきます。(プレミアム価格とは別)
そうやって作られたお酒は大概、香り高く、キレイな味わいで、日本酒を飲みなれない人からでも「おいしい」と言われやすいのです。
ただこれは、低精米(精米歩合が低い。お米をあまり削らないで作るもの)がまずいと言っているわけではありません。
個人的には、むしろ低精米なのに、飲みやすくておいしい、値段もお手頃、という日本酒は偉大だなと感じるのです。
というわけで、本件の七賢は低精米。
精米歩率70%という驚愕の低さ!
いやこれ、本当に、今までの常識を覆す味ですよ。
世の中の「高精米=うまい」、という図式を破壊してくれるはずです。
しかも、1000円台でしたから!!
意外と辛口
お味のレポート、まいります。
程よい硬さ、厚みのあるうまみと甘み、後半のキレのするどさゆえに、バシッと辛口になる印象です。
数人に飲んでもらったところ、酒好きにとっては、「甘口だね」という反応。
しかし、ふだんお酒を飲んでいない人にとっては「うわ~辛い!」という反応でした。
同じものなのに真逆の反応が出るのは、さすが日本酒の奥深さといったところですね。
うん、興味深い。
おりがらみとは
「おりがらみ」とは、お酒中に白いオリが漂っている日本酒のことを指します。
澄んでいるお酒との違いを簡単に説明すると……、上澄みだけを取るか、そうでないかというもの。
日本酒を製造するにあたり「もろみ」という段階があります。もろみとは、酵母が発酵して糖からアルコールを作っている状態です。
そのもろみを搾ったあと、タンクに貯蔵されるのですが、時間が経つとオリが沈み、タンクの上の方が澄んできます。
この上の方だけを取りだして瓶詰すると、通常の日本酒となり、下に沈殿したオリも一緒に瓶詰めすると「おりがらみ」となるわけです。
「おりがらみ」の味は、オリがあるぶん、うま味が強いといわれているので、うま味を甘みと感じるのかもしれませんね。
というわけで、七賢 純米春しぼり おりがらみ。コスパがいいので、何度もお世話になりそうです!
みなさんも春のお酒で、よい春のスタートを切ってくださいね!
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